■無口蓋義歯って? |
中沢歯科医院では、上顎総義歯をさらに快適なものとするため「無口蓋義歯」の製作をしています。 |
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通常の上総入れ歯 |
無口蓋義歯 |
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「無口蓋義歯」は一見下顎の総入れ歯に見えますが、画像のように上顎=口蓋(こうがい)の
全部を覆わない総入れ歯です。 |
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■無口蓋義歯のメリット |
無口蓋義歯は装着感、つまり「はめ心地」が一般的な総入れ歯に比べ格段に向上します。また、食物の『味』もより感じることが出来ます。『味』はいわゆる舌で感じる「味覚」だけではありません。食物の温度、香り、粘膜が感じる触感なども含めた総合的なものです。だから大きく上顎を覆わない無口蓋義歯は食事をよりおいしく感じることが出来るのです。また、入れ歯の装着時に嘔吐の起こりやすい方にも向いています。 |
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■無口蓋義歯のデメリット |
はめ心地は一般的な総入れ歯よりも良いのですが、製作は難しいです。上顎部分(口蓋=こうがい)を切り取っただけでは、入れ歯自体の維持力が無くなり、簡単に落ちてしまい食事が出来ません。
低下した維持力を回復し確保するため、製作する際には一般的な入れ歯よりも十分な手間と時間をかける必要があります。そのため一部の場合を除き保険診療の適用外となります。
完成後も定期チェックは欠かせません。もちろん時には無口蓋義歯が無理なケースもあります。また、総入れ歯であることには変わりありませんから、装着時の違和感がゼロになるわけではありません。 |
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■無口蓋義歯への取り組み |
無口蓋義歯は決して新しい技術ではありません。制作上の手間、コスト、インプラントなど義歯に代わる新技術の登場などによっていつのまにか「知られざる技術」になってしまったのです。詳しく書かれた本や情報はほとんどみかけません。技術の習得ももちろんですが、様々なケースに対応するための製作ノウハウ等を他から得ることはかなり困難です。今日まで個人的に取り組んできましたが、「コレさえ押さえておけばうまくいく」などという「ゴールデンルール」も無いように思われます。術者にとってなかなかに無口蓋義歯は手ごわいのですが、その恩恵によって救われた方はたくさんいらっしゃいます。
無口蓋義歯は忘れ去られた懐古技術ではありません。高齢化が進み、義歯人口が増え、さまざまな治療上の選択肢が必要な現代であればこそ意味のあるものだと思います。 |
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